相続対策として、生命保険を利用することは非常に有効です。
なぜなら、生命保険には相続時の円滑な遺産分割や相続税の軽減対策に役立つメリットがあるからです。
以下は、生命保険による主なメリットです。
・相続人に非課税枠があり、最大で500万円までが免税となるため、相続税がかからなくなる。
・生命保険は現金化が早く、相続人全員の手続きが必要な預金とは異なり、受取人が単独で保険金を請求し、通常5営業日以内に指定口座に振り込まれるため、当面のお金に困ることがなくなる。
・死亡保険金は個人の遺産ではなく、受取人の財産であるため、相続税の対象にならず、遺産分割の対象にもならない。また、相続放棄や受取人の変更ができ、贈与にも利用できる。
相続税対策に生命保険を利用するメリット
1つ目のメリットは、相続人に非課税枠があり、最大で500万円までが免税となります。
例えば、夫が亡くなった場合に妻と子供2人が相続人で、預金が1,500万円ある場合、相続税の対象になってしまいます。
しかし、相続人が死亡保険金として受け取れば、非課税となり相続税がかからなくなります。
2つ目のメリットは、生命保険は現金化が早いことです。
金融機関は預金者が亡くなった場合には、すぐに口座を凍結します。
口座のお金を引き出すには遺言書や遺産分割協議書が必要であり、相続人全員の署名と実印の押印を求められます。
時間がかかります。
しかし、生命保険であれば、受取人が単独で保険会社に請求するだけで、通常5営業日以内に指定した口座に保険金が振り込まれます。
保険金は、葬式費用などにも充てられ、残された家族は当面のお金に困ることはありません。
3つ目のメリットは、生命保険が個人の遺産ではなく、受取人の財産であることです。
相続時には、非課税枠を超える死亡保険金は相続税の対象となりますが、法律上、保険金は個人の遺産ではなく、受取人の財産であるため、故人の遺産を相続したことにはなりません。
遺産分割の対象にもならず、残したい人に多く財産を残せます。
また、相続放棄をしても受け取ることができ、受取人を相続人以外にすることもできます。
例えば、長男のお嫁さんなど介護に貢献した人に贈ることができます。
保険金を代償分割の代償金として使う方法
遺産の大半が自宅などの不動産で、遺産分割協議が困難なケースがあります。
代償分割は、そのような場合に行われます。
この方法では、不動産を相続する人が他の相続人に代償金を支払うことで、協議をまとめることになりますが、
死亡保険金を代償金として活用します。
死亡保険金は確実に現金として準備でき、相続財産には含まれず、受取人の独自の財産となるため、遺産分割の対象にはなりません。
そのため、代償金として利用することも可能です。
例えば、父親が契約者となり、保険に入り、同居している受取人に保険金が支払われた場合、父親の相続時には長男が自宅を単独で相続しても、受け取った保険金から長女に代償金の支払いをすることができ、父親の遺産分割を円満に行うことができます。
ただし、生命保険による代償分割を検討する際には、契約者や保険料、相続税や贈与税などについて、注意深く検討する必要があります。
専門家に相談することをお勧めします。
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保険にかかる税金について
保険には入り方によって課される税が変わります。
死亡保険金には必ず相続税がかかるわけではなく、受取人から見て、保険料を払った契約書が誰なのかがポイントになります。
相続税がかかる場合、契約者=被保険者の場合に父が自分自身に保険をかけていた場合、長男が受け取る保険金には相続税がかかります。ただし、500万円までの保険金は非課税になります。
所得税がかかる場合、契約者=受け取り人の場合に長男が保険料を払い、父に保険をかけていた場合、長男が受け取る保険金には所得税がかかります。保険金から生前に払った保険料と50万円を引いた残りを1/2にした金額に所得税がかかります。ただし、生前に父が長男に現金を贈与し、それを長男が保険料に充てれば、相続税が軽減できます。
贈与税がかかる場合、契約者、被保険者、受取人が全て違う場合に贈与税がかかります。
税金が重くなる可能性が高いため、保険の見直しを検討する必要があります。
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