特定非営利活動法人(NPO法人)の設立登記、役員変更登記、主たる事務所移転登記についてまとめています。
根拠法
↓
・特定非営利活動促進法(以下「法」といいます。)
・法施行令
登記手続法
↓
・組合等登記令(以下「令」といいます。)
・各種法人等登記規則(以下「規則」といいます。)
・商業登記法(以下「商登法」いいます。)
・商業登記規則(以下「商登規則」いいます。)
特定非営利活動法人(NPO法人)の設立登記について
特定非営利活動法人(NPO法人)の設立登記についてです。
登記すべき事項
①目的及び業務
・特定非営利活動法人が行う特定非営利活動の種類及び当該特定非営利活動に係る事業の種類並びに収益事業を行う場合には、その種類その他その収益事業に関する事項を目的及び業務として登記する。
②名称
・事務所とは主たる事務所及び主たる事務所の双方を指すので従たる事務所を設置する場合は、主たる事務所とともに従たる事務所も登記事項となる。
④代表権を有する者の氏名、住所及び資格
・理事は法人を代表するので、複数いる場合は各自代表となるので(法38条)理事全員の氏名、住所を登記することになる。
・⑦のように理事長を定めた場合、当該理事のみが代表権を有するので、当該理事の氏名、住所を登記することになるが、登記事項としての資格は「理事」である。
⑤存続期間又は解散の事由を定めた場合
・解散事由については、法31条①Ⅱに該当する場合のみが登記事項となる
⑥資産の総額
・資産の総額とは、法人の積極財産から消極財産を控除した純資産額のことをいう。
⑦代表権の範囲または制限に関する定めがあるときは、その定め
・代表権を特定の事項に制限することや理事長(代表者)を定めて、他の者の代表権を剥奪する場合など
添付書面
・定款
所轄庁の認証は不要
・認証書
所轄庁(都道府県知事又は一指定都市の長の認可が必要)
・設立時理事の選任に関する書面
設立時理事は定款の附則に定めることとされているので、定款が該当する。
・設立時理事の就任承諾書
押印する印鑑についての制限はない
・資産の総額を証する書面
財産目録が該当する
・委任状
・印鑑届
印鑑証明書
定款の記載事項
①目的
②名称
③その行う特定非営利活動の種類及び当該特定非営利活動に係る事業の種類
④主たる事務所及びその他の事務所の所在地
所在地は、最小独立行政区まで記載すればよい。
⑤社員の資格の得喪に関する事項
⑥役員に関する事項
・役員の選任期間については、法律の定めがないので、定款で定める
⑦会議に関する事項
⑧資産に関する事項
⑨会計に関する事
⑩事業年度
⑪その他の事業を行う場合には、その種類その他の事業に関する事項
⑫解散に関する事項
⑬定款の変更に関する事項
備考
・所轄庁については、
ア.主たる事務所を都道府県の区域内に設置
イ.事務所を一指定都市の区域内に設置
に分類され、
アについては、都道府県知事
イについては、当該指定都市の長
が、所轄庁となる。
・名称には「特定非営利活動法人」の文字の使用を強制されていないので、名称中に使用しなくてもよい。
・名称の使用制限(法4)
(名称の使用制限)
第四条 特定非営利活動法人以外の者は、その名称中に、「特定非営利活動法人」又はこれに紛らわしい文字を用いてはならない。
・設立時に社員は10人以上必要であるが、その後10人以下となっても、すぐに解散命令が出るわけではない。
・法人には、監事1名以上置かなければならないか、登記事項にはなっていない。
特定非営利活動法人(NPO法人)の役員変更登記について
特定非営利活動法人(NPO法人)の役員変更登記についてです。
登記すべき事項
代表権を有する理事(令2④)
任期
2年以内で定款で定める期間(法24①)
・任期伸長規定(法24②)
社員総会で選任すべき後任者が選任されていない場合には、任期経過後の最初の社員総会の終結時まで伸長可能。(なお、任期伸長規定の適用を受けるためには、理事の選任期間が社員総会であり、かつ、上記の旨を定款に定める必要がある。)
選任機関
定款で定めた期間(法11①Ⅳ)
添付書面
・定款
理事の選任方法を確認するため
・理事の選任を証する書面
定款で定めた選任期間の議事録
(社員総会議事録、理事会議事録など)
・就任承諾書
押印する印鑑についての制限はない。
・代表する理事(理事長)を選定したことを証する書面
・就任承諾書
押印する印鑑についての制限はない。
・印鑑証明書
理事を選任した議事録に押印された印鑑
(署名した役員全員分が必要。なお、代表印が押印されている場合は不要。)
・退任を証する書面
辞任届、死亡を証する書面(死亡届、戸籍謄本等)など
・印鑑届
印鑑登録者を変更する場合
・委任状
備考
・理事については、権利義務承継の規定がないので、後任者の選任がないまま任期満了した場合は、原則、仮理事を選任後、後任者を選任する必要があるが、以下の条件を満たしている場合に限り、退任した理事が後任理事を選任することができる。
(平成19年1月11日民商30民事局長回答)。
①仮理事の選任を待つことができないような急迫した事情がある
→条件の確認のため議事録当(「急迫の事情」を記載する)へ記載を要する。
→決議が有効にされていることにより推認される。議事録への記載は不要である。
特定非営利活動法人(NPO法人)の管轄内での主たる事務所移転
特定非営利活動法人(NPO法人)の管轄内での主たる事務所移転についてです。
登記すべき事項
移転年月日
移転後の主たる事務所
決議機関
定款変更を伴う(定款に地番まで定めている場合など)
→社員総会
具体的住所及び移転年月日
→原則、理事会であるが、社員総会で決議しても差し支えない
添付書面
・定款
決議要件を確認するため
・社員総会議事録
定款変更を伴う場合
・理事会議事録
・委任状
特定非営利活動法人(NPO法人)の管轄外への主たる事務所移転
特定非営利活動法人(NPO法人)の管轄外への主たる事務所移転についてです。
登記すべき事項
旧管轄
移転年月日と移転後の主たる事務所
新管轄
現に有効な登記事項全部と移転事項
決議機関
定款変更
→社員総会
具体的住所及び移転年月日
→原則、理事会であるが、社員総会で決議しても差し支えない。
添付書面
・定款
決議要件を確認するため
・社員総会議事録
・理事会議事録
・認証書
所轄庁が変更する場合
・印鑑届
・委任状
備考
・新管轄登記所用の登記すべき事項は主たる事務所以外に変更がない場合は登記事項証明書を添付してもよい
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