相続登記と分筆登記のお話です。
・土地を2つに分けて兄弟で相続するには?
・分筆登記の申請人は誰になる?相続人からの分筆登記申請の必要書類は?
・分筆登記は自分でできる?5分筆登記にかかる費用は?必要経費について
などについて説明していますのでご参考ください。
土地を2つに分けて兄弟で相続するには?【分筆登記後→相続登記】
亡くなった方が相続財産として土地を残し、その土地を2つに分けて、兄弟でそれぞれ相続したい。
相続する土地が大きい場合など、そのように考える人もいるかと思います。
一筆の土地を分筆し、分筆後のそれぞれの各土地について兄弟で相続するといった遺産分割協議が成立した場合、
相続人は、分筆登記と相続による所有権移転登記を申請することになります。
分筆登記とは、一筆の土地を、数筆の土地に分けることをいいます。
分筆登記の申請人は誰になる?
土地の所有者が亡くなってしまっているので、誰が分筆登記申請するのかと思うかもしれませんが、
被相続人名義でも分筆登記は可能です。
登記申請は、原則、相続人全員による申請になります。
相続人のひとりからでも申請できるのか?
登記申請は、原則、相続人全員による申請になりますが、登記の実務上、相続人のひとりからの申請でもよい場合もあります。
それは、遺産分割協議書に分筆後の地積測量図又は分筆図等が添付され、相続人のいずれからの申請であっても遺産分割協議書に添付された測量図のとおりにしか分筆できないような場合です。
このような時は、便宜、相続人の一人からでも分筆登記はできるものとされています。
遺産分割協議書の不動産の表示は、当該土地を特定するため、「何番何平方メートルのうち何平方メートル」の振合いにより、分割する土地を特定できるよう明確に記載することとされています。
(参考)登記研究299号71頁、登記研究458号93頁
相続人からの分筆登記申請の必要書類は?
分筆登記を行うには、以下の書類や図面が必要です。
・登記申請書
・地積測量図
・隣地所有者の筆界確認書又は立会証明書
・官地との筆界確認書
・地図写し(分割線を記入したもの)
・除住民票(戸籍の附票でも可)
・遺産分割協議書
・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等
また、土地の分筆登記を行う際は、登録免許税という税金が必要です。
分筆登記に必要な登録免許税は、分筆登記後の土地の数(筆数)に1,000円をかけた金額になります。
2筆に分筆するのであれば、2,000円
3筆であれば、3,000円
5筆であれば、5,000円
登録免許税は、収入印紙を申請書に貼って申請します。
分筆登記は自分でできる?
土地の分筆登記は自分でできますか?
不可能ではありませんが、むずかしいです。
測量等の専門的な技術が必要になるからです。
土地を分筆する場合には、隣地土地所有者や役所と現地での立会い、測量、境界標の設置等専門的な作業を行う必要があるのです。
これらの作業を自身で行うのは難しいといえます。
専門家の土地家屋調査士の方に依頼するのがよいでしょう。
分筆登記にかかる費用は?必要経費について
けっこう高いです。 ほとんどの場合が数十万円ぐらいになると思われます。
何件か見積もりをだしてもらい、確認するとよいです。
相続登記→分筆登記→共有物分割
いままで、
分筆登記をしてから、相続による所有権移転登記の流れを説明してきましたが、
手続きの手法として、相続登記をしてから、相続人名義で分筆登記をするという方法もあります。
どちらでも手続きはできますが、被相続人名義のまま分筆をしたほうが手続きが簡単だと思われます。
例えば、
相続した1番1の土地を相続登記をして、AさんとBさんの共有名義にしたとします。
1番1の土地
A、2分の1
B、2分の1
1番1の土地を分筆すると、新しく1番2の土地ができたとします。
新しくできた1番2の土地も、1番1の権利関係がそのまま引き継がれますので、
1番2の土地
A、2分の1
B、2分の1
という共有関係になります。
これを、それぞれの単独所有にするためには、
1番1の土地については、Bの持分2分の1をAに移転する「B持分全部移転」の登記をして、
1番2の土地については、Aの持分2分の1をBに移転する「A持分全部移転」の登記をする必要があります。
この一連の手続きが完了すると、1番1の土地はAの単独所有、1番2の土地についてはBの単独所有とすることができます。
ちょっと面倒だと思いますが、
分筆登記だけで、所有権の権利変動は発生しませんので、一連の持分移転の登記も必要になります。
共有の不動産を単独所有にすることを、共有物分割といいます。
【おわりに】自分で相続登記をしたいと考えている方へ
相続登記と分筆登記について書きました。
自分で法務局で相続登記をしたいと考えている方は、こちらもご参考ください。
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