【長男が高齢の親の面倒を見ない】親の介護で兄弟間の相続トラブル

2021年2月5日金曜日

相続について

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【長男が高齢の親の面倒を見ない】親の介護で兄弟間の相続トラブル
【悩み】【長男が高齢の親の面倒を見ない】親の介護で兄弟間の相続トラブル

私の父が相続について現在進行形で悩んでいます。

祖母がなくなり、財産として預金が数千万ありました。

父は2人兄弟で、弟がいます。

疎遠で、何年も会っていませんでしたが、祖母の死後、法定相続分をきちんとしてほしいと連絡があったそうです。

兄弟なのだから半分相続の権利があるとのことでした。

しかし、祖母がなくなるまで介護をしてきたのは父ですし、半分相続するのは納得がいかないということでした。

介護費用ももちろん父が出していますし、弟は費用負担をしてきていません。

また、介護で大変だった時期も手助けをしてくれたりということはありませんでした。

何より、ずっと連絡もとりあっていなかったのにもかかわらず、こういった時にだけおいしい思いをするのかという気持ちで納得ができないということでした。


【長男が高齢の親の面倒を見ない】親の介護で兄弟間の相続トラブル


・自分は親のためにあんなに貢献してきたのに・・・

・なんで他の兄弟と同じ扱いなんだ、不公平だ

遺産分割の中でよく耳にする言葉です。

法定相続分は、相続人の家族関係だけで形式的に決まってしまいます。

親の面倒をみたというような事情は考慮されません。

普通に考えると不公平に感じますよね?

そのため、民法は、相続人の亡くなった方への貢献度に応じて、

相続人がもらえる相続分を調整する仕組みを設けています。

寄与分という制度です。

この制度を活用すれば、相談者様の悩みを解消できるかもしれません。

【寄与分を主張しよう】同居して親の介護をした人の遺産相続


繰り返しになりますが、 民法には、相続人が生前に被相続人(亡くなった人)の財産の維持・増加のために特別に貢献した場合、貢献した分を寄与分として、その相続人が多く遺産を受け取れる仕組みを設けています。

寄与分は誰に認められる?


寄与分は、法律上、

相続人のうち被相続人亡くなった方の財産の維持又は増加に特別の寄与した人に認められるものです。

(なお、民法の改正があり、「特別寄与料」という制度が創設されました。相続人以外の親族に対して寄与に応じた金銭の請求を認める制度になっています。)

寄与分は、一般的に、次の5つの場合に認められる可能性があります。


①家事従事型
②金銭等出資型
③療養看護型
④扶養型
⑤財産管理型


①の家事従事型は、亡くなった方の事業を手伝っていた相続人に認められる可能性があります。

②の金銭等出資型は、亡くなった方が老人ホームに入居する際に費用を負担した場合などに認められます。

③の療養看護型は、相続人が仕事を辞めるなどして、故人の介護に長期間にわたって専念していた場合に認められるものです。

④の扶養型は、故人の生活費を負担していた場合などです。

⑤の財産管理型は、亡くなった方の為に財産を管理してきた場合に認められます。

寄与分の計算について


例えば、Aが被相続人(亡くなった方のこと)で、

子供がB(兄) と C(弟)いました。

B(兄)がAと同居して、 A さんの介護をしてきました。

遺産が1000万あります。

この場合、法定相続分に従うと、B(兄)とC(弟)の2人で500万円ずつ半分に分けることになります。

B(兄)の方が「自分の方は長年介護をしてきたのに不公平だ」ということで、

寄与分を主張したとします。

寄与分が認められ、寄与分が200万円であるとすると、遺産の1,000万円から200万円は取り分けられて、残りの800万円を法定相続分に従って半分ずつにする と、

B(兄)が400万円、C(弟)も400万円になります。

そして、取り分けた200万円を、B(兄)に加え、200万円をプラス、

400万円+200万円

→600万円となり、B(兄)は、C(弟)より多く相続することになります。

B(兄)が600万円 、C(弟)が400万円という形で相続です。

寄与分が認められるのはけっこう難しい


寄与分が認められるためには、寄与の程度が「特別」なものでなければいけません。

寄与分は相続人間の公平を図るものですが、何が寄与分に該当するのか認定が非常に難しいものです。

よく争いになります。

一般的には、寄与分か認められるための要件は次のとおりです。


・相続人自らの寄与があること

・特別の寄与であること

・寄与行為に対して対価を受けていないこと。

・財産の維持や増加と因果関係があること。

・相続開始時までの寄与であること。



寄与分が認められるためには、介護の必要性があったこと、特別の貢献と認められる介護があったことが必要です。

親族間には扶養義務があります。

通常の扶養をしていたということでは特別の寄与分としては認められません。

そして、無償性が必要になります。

ただでやっていたということですね。

介護に対して何らかの対価を得ていたという場合には、それは寄与分として評価されません。

継続して行われ、専ら介護のために専従してやったということも必要とされます。

こういった厳しい要件があるので、寄与分が認められるのは難しいのです。

親の介護をしない介護放棄の兄弟に対し相続を放棄をさせる


相続が開始すると、基本的には、相続人間で遺産をどのように分配するかを話し合いで決めることになり、遺産分割協議が行われます。

まずは、この遺産分割協議で寄与分を主張しましょう。

親の介護をしない介護放棄の弟に対し、相続放棄をさせる方向でお話お進めましょう。

遺産分割協議で寄与分が認められるためには、相続人全員の合意が必要です。

そのため、被相続人の財産の維持・増加のために特別に貢献していた事実を証明する証拠を揃え、説明し、相続人全員が納得するように寄与分を主張することが重要です。

遺産分割協議がまとまらなければ調停・審判へ


遺産分割協議がまとまらなければ、

家庭裁判所で調停・審判という流れになります。

遺産分割協議がまとまらない場合、家庭裁判所に遺産分割と寄与分について調停や審判を申し立てることになります。

寄与分は、寄与分を主張する相続人が、資料を準備しなくてはいけません。

具体的な証拠を裁判所と相手方に示さなくてはいけません。

調停は、相手方である相続人のうちの1人の住所地がある家庭裁判所、または、当事者が合意で定める家庭裁判所、または遺産分割事件が係属している裁判所に申し立てをします。

詳細は
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話合いがまとまらず、調停が不成立になった場合には,自動的に審判手続が開始され,裁判官が,提出された資料等の一切の事情を考慮して審判をします。


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