【遺産相続どうなる?】子供なし、親も既に死亡、兄弟姉妹もいない

2021年1月29日金曜日

相続について

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【悩み】【遺産相続どうなる?】子供なし、親も既に死亡、兄弟姉妹もいない

50代の夫婦です。

私達には子供がいません。

そのため相続についてとても大きな不安があります。

というのも夫は一人っ子なので兄弟がおらず、私も同じく一人っ子なのです。

ということは私たちの遺産を将来的に相続する人がいないということになります。

私たちのような夫婦二人暮らしの場合は、相続はどうなるのでしょうか。

「私たちが死ぬまでに財産を全て使い切るのがいいのでは?」

と友人に言われましたが、そんなことは実質的に無理だと思います。

いつ死ぬのかはっきりとわからないのに、財産を使い切ることはリスクが大きすぎて到底できることではありません。

そうなれば、残された遺産はどこへ行ってしまうのでしょうか。

国のものになるというのも、とても嫌な感じです。

どうしても避けたいです。

私たちの死後、児童施設といったような福祉施設に私たちの遺産を寄付するように手続きしておくことは可能なのでしょうか。

子供がいないことがこんなに不安材料になるとは夢にも思いませんでした。

具体的な解決策があれば教えていただきたいです。


【回答】【遺産相続どうなる?】子供なし、親も既に死亡、兄弟姉妹もいない


夫婦に子供がおらず、親も既に死亡して、兄弟姉妹もいない場合、相続人がいないということになります。(相続人不存在)

注意してほしいのは、まず夫婦の一方が死亡した場合、他方が財産をすべて相続します。

そして、その後残った方が亡くなった時に相続人不存在になる、ということです。

相続人不存在で、遺言書がない場合、家庭裁判所は利害関係人の請求によって相続財産管理人を選任します。

相続財産管理人はまず相続人捜索の公告を行い、それでも相続人がいない場合、特別縁故者に財産を分配することができます。

特別縁故者とは、亡くなった方と生計を一にしていた者や療養看護に努めた者で、事実婚の方や、事実上の養親子などで、個別の事例ごとに家庭裁判所が判断します。

特別縁故者に財産が分与されなかった場合、相続財産は国庫に帰属します。

遺言書がある場合、相続財産の分配については、遺言書が優先


遺言書がある場合、相続財産の分配については、遺言書が優先されます。

遺言によって相続財産を相続人以外の者に与えるように指定することができます。

これを遺贈といいます。

遺贈の相手方は、自然人でも法人(会社や団体、施設等)でもよいです。

遺言書は、夫婦共同で作成することはできませんので、各人がそれぞれ作成する必要があります。

遺言書には大きく分けて公正証書遺言と、自筆証書遺言があります。

公正証書遺言は最も確実な方法ですが、遺言者が公証人役場に行く必要があり、公証人の手数料などの費用がかかります。

公正証書遺言の原本は公証人が保管するので、偽造や紛失の心配がありません。

自筆証書遺言は費用がかからず、簡単に作成できますが、法律に定められた要件があり、不備があると無効になってしまうので注意が必要です。

自筆証書遺言は遺言者が亡くなった時、家庭裁判所の検認が必要です。

また、法務局の自筆証書遺言書保管制度が新たに創設されました。

この制度で保管された遺言書は、家庭裁判所の検認が必要ありません。

偽造や紛失の心配がありません。

費用もそれほどかからないので、今後この制度の利用が増えると思います。 

【さいごに】弁護士や司法書士などの専門家に相談を


いずれにしても、まずは、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

遺言書の作成について、どの方法が最も適しているか判断してくれるでしょう。

遺言書の文面についても遺言者の希望に沿った適切な書き方を支援してくれると思います。


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