司法書士試験の口述試験はどんな感じだろう?
落ちる人はいないって聞くけど、やっぱり心配…
もうすぐ、平成31年度の司法書士試験の口述試験です。
毎年このぐらいの時期に実施されます。
ほぼ不合格になる人はいないと言われていますが、それでも不安に思っている人も多いのでは?
この記事では私が試験を受けた時のどんなだったかを書いてみます。
参考にしてください。
合格発表から口述試験までの過ごし方
その前に、筆記試験を終えてからの口述試験までの過ごし方についてです。筆記試験を終え、自己採点の結果から自分は受かっているだろうと思いました。
しかし、合格発表までの間、なんとなく落ち着かず、勉強する気になれず、特に何もせずに過ごしていました。
合格発表後、すぐに、某予備校に行き、「口述試験対策レジュメ」を購入しました。
通勤の電車の中でこのレジュメを読むようにしました。
また、口述試験では司法書士法が詳しく質問されると聞いていたので、「直前チェック」の司法書士法に何度か目を通し復習をしました。
出題レベルは極めて平易とレジュメにも書かれていたので、この他には特に準備はしませんでした。
口述試験当日の流れ
口述試験はやや時間に余裕をみて試験会場に出かけました。会場に着くと受験の順番を決めるための番号札を引くために列ができていました。
私は3時からの組でした。
くじを引いた後は係員の指示に従い、席について開始時刻を待ちました。
この待ち時間にもう一度レジュメの見直しをしました。
席はちょっと窮屈な感じでした。
自分の順番が来て、呼び出しがありました。
係員の誘導にされ、控え室を出て、試験室のドアの前に着きました。
部屋の中の試験管から、
「どうぞ。」
と合図があったので、
「失礼します。」
と挨拶をし入室しました。
中に入ると小さ目の部屋で、奥に試験官二人が目に入りました。
荷物を入り口近くの机に置いて中央の椅子まで進み、
「よろしくお願いします。」
と一礼しました。
「どうぞおかけください。」
と試験官に言われ、席に座りました。
試験の再現(覚えている範囲です)
試験官は2人で、不動産登記法、商業登記法を一方の方が、もう一方の方が司法書士法について質問するという形式でした。試験官
では、これから口述試験を始めます。
問題は不動産登記法、商業登記法、司法書 士法から出題します。
まず、あなたの氏名、筆記試験受験地、口述試験受験番号、 生年月日を言ってください 。
私
(略)
試験官
登記識別情報について質問します。
登記識別情報はどのような場合に、誰に対し通知されますか。
私
登記をすることによって申請人自身が登記名義人となる場合に通知されます。
試験官
登記申請をするとき、登記義務者に登記識別情報の提供させるのはなぜですか。
私
申請人の本人確認のためです。
試験官
登記識別情報の提供ができないときはどうしますか。
私
事前通知制度を利用します。
試験官試験官
ほかには何かありますか。
私
司法書士が本人確認情報を作成する。
公証人に本人確認をしてもらうなどの方法あります。
試験官
そうですね。
それでは、登記識別情報を提出するときに注意することはありますか。
私
封筒に入れ、登記識別情報を記載した書面が在中する旨を記載します。
試験官
ほかにはありませんか。
私
・・・。
試験官
登記識別情報を提供する申請人の氏名や登記の目的は記載しませんか。
私
します。
試験官
登記識別情報の証明について質問します。
いわゆる有効証明は誰が申請できますか。
私
登記名義人本人です。
司法書士も申請できます。
試験官
相続人は申請できませんか。
私
できます。
試験官
登記名義人の登記上の住所が現在の住所と異なっていた場合には申請ができますか。
私
住民票などの変更を証する書面を添付して申請できます。
試験官
はい。
それでは、商業登記法について質問します。
会社が他の登記所の管轄区 域内に本店移転した場合どのように登記申請しますか。
私
旧所在地を経由して登記申請をします。
試験官
印鑑の提出はどうしますか。
私
経由申請となります。
試験官
新所在地ではどのようなものが登記事項となりますか。
私
旧所在地の登記記録をそのまま移すようなかたちになり、年月日どこから移転という記録もされます。
役員の就任年月日も記録します。
試験官
旧所在地ではどうですか。
私
年月日どこそこへ本店移転と記録され、閉鎖されます。
試験官
移転先の場所に支店があった場合どうしますか。
私
新所在地の支店の登記記録は職権で抹消されます。
試験官
旧所在地に支店があった場合、旧所在地の登記記録はどうなりますか。
私
支店の登記記録として、支店の登記事項以外を抹消し、そのまま残ります。
試験官
閉鎖はされないということですね。
私
そうです。
試験官
支店の登記事項を言ってください。
私
商号、本店、支店、会社成立の年月日です。
試験官
それでは、司法書士法について質問します。
司法書士法の目的は何ですか。
私
この法律は、司法書士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、登記、 供託及び訴訟等に関する手続の適正かつ円滑な実施に資し、もつて国民の権利の 保護に寄与することを目的とします。
試験官
司法書士の職責について答えてください。
私
司法書士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正か つ誠実にその業務を行わなければなりません。
試験官
司法書士の業務を行うにはどうしたらよいですか。
私
司法書士名簿に登録をし、司法書士会に入会する必要があります。
試験官
司法書士の事務所について説明してください。
私
司法書士は事務所を一つ設けて、業務はその事務所において行なわなければなりません。
試験官
事務所の表示はどうですか。
私
司法書士の事務所である旨の表示をする必要があります。
試験官
事務所の数はどうですか。
私
事務所の数は一つだけと制限されています。
試験官
なぜ複数の事務所を設けてはいけないのですか。
私
複数の事務所を設けられるとすると、書類が分散することになり業務の適正を欠き業務の適正を図れないからです。
試験官
司法書士の義務について答えてください。
私
依頼に応ずる義務、秘密保持の義務、領収書を交付する義務などがあります。
試験官
依頼に応ずる義務が課せられるのはなぜですか。
私
司法書士は登記という独占的な業務ができる資格を国家から付与されるので、公共性のある仕事だからです。
試験官
はい。
それでは時間がまだありますので、不動産登記法に戻ります。
代位申請により登記申請がなされた場合、登記識別情報は通知されますか。
私
されません。
試験官
それはなぜですか。
私
申請人が登記名義人にはならないからです。
試験官
そうですね。
それでは所有権保存登記が申請できるのは誰ですか。
私
表題部所有者、その一般承継人、判決により所有権を確認された者、収用により所有権を取得した者、区分建物については表題部所有者から所有権を取得した者です。
試験官
表題部所有者にAとBの2人の記録がある場合、Aが単独で保存登記の申請がで きますか。
私
保存行為として申請できます。
試験官
この場合、Bに登記識別情報は通知されますか。
私
申請人にならないことから通知されません。
試験官
商業登記法についてもう1度質問します。
先度の本店移転で経由申請による場合、旧本店で登記が閉鎖される日付はいつですか。
私
登記申請日です。
試験官
新本店から新本店での登記が完了した旨の通知がされたときになります。
新本店の登記年月日はどうなりますか。
私
登記申請日です。
試験官
以上で終わります。
お疲れ様でした。
私
ありがとうございました。
失礼します。
口述試験を受けてみての感想
試験官の方は2人とも優しそうな感じの方でした。司法書士法が終わり、不動産登記法に戻ったときには正直、驚きました。
また、登記識別情報の提出方法や本店移転の登記年月日についての質問には意表を突かれました。
ただ、試験官の方が助け舟を出してくれたりもしましたので、なんとか無事に終わることができました。
全体的には簡単な内容ですので、やはり緊張しすぎず、リラックスして受験することが重要なのではないかと思います。
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